お米に湧く虫の悩みから解放されたい一心で、「無洗米や玄米なら、虫が湧きにくいのでは?」と考える方もいるかもしれません。お米の種類によって、虫の発生しやすさに違いはあるのでしょうか。その疑問にお答えします。まず、「無洗米」についてです。無洗米は、精米の段階で、米の表面に残っている粘着性の高いヌカ(肌ヌカ)をあらかじめ取り除いたお米です。虫は、この栄養豊富なヌカの匂いに誘われて寄ってくるため、理論上は、ヌカが少ない無洗米の方が、通常の白米に比べて虫が湧きにくいと言えます。しかし、これはあくまで「湧きにくい」というレベルの話であり、「絶対に湧かない」わけではありません。米そのものも虫の餌になるため、保存状況が悪ければ、無洗米であっても虫は発生します。次に、「玄米」です。玄米は、硬い糠層(ぬかそう)と胚芽(はいが)に覆われています。この硬い層があるため、コクゾウムシは白米に比べて産卵のための穴を開けにくく、幼虫も内部に侵入しにくいと考えられています。その意味では、玄米は白米よりも虫の食害に対して「強い」と言えるでしょう。しかし、これも完璧ではありません。玄米の段階で、すでに内部に卵が産み付けられている場合(収穫時や貯蔵時)、精米されない分、かえって虫が中で成長しやすいという側面もあります。また、ノシメマダラメイガの幼虫などは、玄米の表面のヌカを好んで食べるため、発生のリスクは依然として残ります。結論として、無洗米や玄米は、通常の白米と比較すれば、虫の発生リスクが「やや低い」傾向にはありますが、その差は決定的なものではありません。どんな種類のお米であっても、虫を防ぐために最も重要なのは、その種類に頼ることではなく、「適切な保存方法」を実践することです。密閉容器に入れ、冷蔵庫で保管する。この原則は、すべてのお米に共通する、最強の防衛策なのです。