家の中に蟻が現れた時、頼りになるのが市販の蟻対策グッズです。スプレータイプ、ベイト剤(毒餌剤)、粉剤、捕獲トラップなど、様々な種類がありますが、それぞれの特徴を理解し、状況に合わせて効果的に使い分けることが重要です。ここでは、代表的な蟻対策グッズの活用術をご紹介します。まず、最も手軽なのが「殺虫スプレー(エアゾール剤)」です。目の前にいる蟻や行列に直接噴射すれば、高い殺虫効果を発揮し、すぐに退治できます。しかし、これはあくまで対症療法であり、巣の中にいる蟻や、後から侵入してくる蟻には効果がありません。また、薬剤が広範囲に飛散するため、キッチン周りなど食品がある場所での使用や、小さなお子さんやペットがいる環境では注意が必要です。換気を十分に行い、必要最低限の使用に留めるのが良いでしょう。次に、巣ごと駆除を狙うなら「ベイト剤(毒餌剤)」が有効です。これは、蟻が好む餌に遅効性の殺虫成分を混ぜたもので、働き蟻が巣に持ち帰り、女王蟻や他の仲間と分け合うことで、巣全体を駆除する効果が期待できます。設置型の固形タイプや、ジェルタイプなどがあります。設置場所が重要で、蟻の通り道や巣の近く、餌場の周辺などに複数設置するのがポイントです。効果が現れるまでに数日から数週間かかる場合があるので、根気強く様子を見守りましょう。ただし、蟻の種類によっては好みが異なり、ベイト剤を食べないこともあるため、効果が見られない場合は種類を変えてみるのも手です。「粉剤」は、主に家の周りや侵入経路となりそうな場所に撒くことで、蟻の侵入を防いだり、接触した蟻を駆除したりする効果があります。建物の基礎周り、窓枠の下、玄関などに帯状に撒くと効果的です。ただし、雨風で流されやすいため、定期的に撒き直す必要があります。また、風で粉が飛散する可能性や、子供やペットが触れないように注意が必要です。「捕獲トラップ」は、粘着シートなどで蟻を物理的に捕獲するものです。駆除効果は限定的ですが、蟻の種類を特定したり、発生状況を確認したりするモニタリング目的で使用されることもあります。これらのグッズは、単独で使うよりも、組み合わせて使うことでより高い効果を発揮します。例えば、ベイト剤を設置して巣ごと駆除を狙いつつ、侵入経路には粉剤を撒き、室内で見かけた蟻はスプレーで対処する、といった具合です。