害虫駆除のプロが語るキッチンとゴキブリの真実
私たちは日々、ゴキブリに関する様々なご相談を受けますが、お客様から時々「鉄フライパンに塗る油がゴキブリを寄せ付けるのでは?」というご質問をいただきます。皆様、キッチンの衛生管理に非常に気を使われている証拠ですね。しかし、私たちの見解を申し上げますと、適切に管理された鉄フライパンの油膜自体が、ゴキブリの主要な誘引源となることはまず考えられません。ゴキブリがキッチンで何に最も惹きつけられるかご存知でしょうか。それは、油よりも「水」と「食べ物の匂い」、そして「隠れ家」です。例えば、シンクの周りに残ったわずかな水滴、これが彼らにとっての命の水になります。そして、三角コーナーに溜まった生ゴミ、特に玉ねぎやジャガイモの切れ端から出る匂いは、ゴキブリにとって最高のごちそうです。床に落ちた食べ物のカスや、ビールの飲み残しなども大好物です。鉄フライパンに話を戻しますと、問題となるのは調理後に残った油汚れや食材カスを放置した場合です。これはフライパンに限りません。汚れた皿をシンクにためておいたり、コンロ周りに油が飛び散ったままにしたりする方が、はるかにゴキブリを呼び寄せるリスクは高いのです。むしろ、鉄フライパンの正しい手入れは、調理後すぐに洗い、火にかけて完全に乾燥させるというプロセスを含みます。これは、ゴキブリが好む「湿気」をキッチンから排除するという点で、非常に優れたゴキブリ対策とも言えるのです。フライパンの油を心配するよりも、シンクの水気を拭き取る、生ゴミを密閉して捨てる、食べカスを放置しない。こうした基本的な対策の方が、ゴキブリ対策としては何倍も効果的であることを、ぜひ覚えておいてください。