思い出したくもないのですが、数年前の梅雨時期、我が家のお風呂場がチョウバエに占拠された恐怖体験をお話しします。最初は数匹、壁にとまっているのを見かける程度でした。「どこから入ってきたのかな?」くらいにしか思っていませんでしたが、それが悪夢の始まりでした。数日後、お風呂に入ろうとドアを開けると、壁一面、天井にまでびっしりと小さな黒い虫、チョウバエが張り付いていたのです。その数、おそらく数百匹はいたでしょう。ブンブンと飛び回るわけではないのですが、そのおびただしい数に全身の鳥肌が立ち、悲鳴を上げてしまいました。とにかく駆除しなければと、まずは市販の殺虫スプレーを噴射しまくりました。薬剤が直接かかったチョウバエはポトポトと落ちていきましたが、換気のために窓を開けると、またどこからか新しい個体が侵入してくるような感覚でした。その日はもうお風呂に入る気になれず、シャワーで済ませました。翌日、根本的な原因を探ろうと決意しました。インターネットで調べると、どうやら排水口の内部や浴槽のエプロン(カバー)の裏側が発生源になっていることが多いとのこと。恐る恐る排水口の蓋を開け、ヘアキャッチャーを外すと、そこには黒いヘドロがびっしり。そして、そのヘドロの中には、白い小さなうじのようなものが蠢いていました。これが幼虫か!と、またもや鳥肌。ゴム手袋を装着し、ブラシとパイプクリーナーで徹底的に排水口のヘドロを掻き出し、洗い流しました。さらに、意を決して浴槽のエプロンを外してみると、そこもカビとヘドロで悲惨な状態。ここにもチョウバエの死骸や幼虫らしきものが…。もう半泣きになりながら、カビ取り剤とブラシでゴシゴシと掃除しました。最後に熱めのお湯(60度以上)を排水口とエプロン裏に流し込み、ダメ押しで殺虫剤を再度散布。この大掃除の後、あれほどいたチョウバエの姿はぴたりと消えました。原因は排水口とエプロン裏の汚れだったのです。この一件以来、排水口の掃除とエプロン裏の定期的なチェックは欠かさないようになりました。チョウバエの駆除は、発生源の特定と徹底的な清掃が何よりも重要だと痛感した出来事でした。
あの日の悪夢お風呂場のチョウバエ大量発生記