家に届いた宅配便のダンボールや、引っ越しで使ったダンボールをそのまま放置していませんか。実はそのダンボール、ゴキブリにとってこの上なく魅力的な住処となっている可能性があるのです。なぜゴキブリはダンボールを好むのでしょうか。その理由を探ると、彼らの生態とダンボールの特性が見事に合致していることがわかります。まず、ダンボールの構造が挙げられます。ダンボールは通常、表裏のライナーと呼ばれる平らな紙の間に、波状に加工された中芯という紙が挟まれています。この波状の隙間が、ゴキブリにとって絶好の隠れ家となるのです。狭くて暗い場所を好むゴキブリの習性にぴったりで、外敵から身を守り、安心して休息したり、卵を産み付けたりするのに適しています。特に、チャバネゴキブリのような小型のゴキブリにとっては、この隙間は格好のシェルターとなります。次に、ダンボールの素材そのものがゴキブリの餌になり得る点も見逃せません。ダンボールの主原料は紙、つまり植物繊維です。ゴキブリは雑食性で、紙や糊(ダンボールの接着に使われている)も食べることができます。もちろん、これだけで栄養が足りるわけではありませんが、他に餌が少ない環境下では、ダンボール自体がかじられることもあるのです。さらに、ダンボールは保温性と保湿性に優れています。紙の層が空気を含むため、外部の温度変化の影響を受けにくく、比較的安定した温度を保ちます。また、湿気を吸収しやすいため、適度な湿度を好むゴキブリにとって快適な環境を提供します。特に、湿った場所に置かれたダンボールは、ゴキブリにとってさらに魅力的なオアシスとなり得ます。加えて、ダンボールは輸送や保管の過程で、さまざまな場所に置かれます。倉庫や配送トラックの中など、すでにゴキブリが生息している環境を経由することも少なくありません。その際に、ダンボールにゴキブリ本体や卵が付着し、知らず知らずのうちに家庭内に持ち込んでしまうケースも多いのです。このように、構造、素材、保温・保湿性、そして流通過程におけるリスクといった複数の要因が重なり、ダンボールはゴキブリにとって非常に居心地の良い場所となっています。家庭内に不要なダンボールを長期間保管することは、意図せずゴキブリを招き入れ、繁殖させてしまうリスクを高める行為と言えるでしょう。
ゴキブリが段ボールを好む意外な理由