去年の夏のことです。庭の隅にある物置の軒下に、ソフトボールくらいの大きさの蜂の巣ができているのを発見しました。ブンブンと飛び回る蜂の姿を見て、一気に血の気が引きました。我が家には小さな子供もいるため、一刻も早くなんとかしなければと焦り、真っ先に思いついたのが市役所への連絡でした。インターネットで市役所の代表番号を調べ、慌てて電話をかけました。代表窓口の女性に「庭に蜂の巣ができてしまって、駆除をお願いしたいのですが!」と早口で伝えると、少し待たされた後、環境課のような部署に繋いでくれました。担当の男性職員の方は、私の話を落ち着いて聞いてくれましたが、開口一番「申し訳ありませんが、個人の敷地内の蜂の巣駆除は、市役所では直接行っていないんです」とのこと。予想していたとはいえ、やはりがっかりしました。しかし、職員の方は続けて「蜂の種類はお分かりになりますか?巣の大きさや場所はどのあたりですか?」と丁寧に状況を確認してくれました。私が「黄色と黒の縞々で、結構大きい蜂です。物置の軒下です」と伝えると、「それはスズメバチの可能性がありますね。非常に危険ですので、絶対に近づかないでください」と強い口調で注意を受けました。そして、市で把握している民間の蜂駆除専門業者のリストをいくつか教えてくれ、「複数の業者に見積もりを取って比較検討することをお勧めします」とアドバイスをくれました。また、自治体によってはスズメバチ駆除に補助金が出る場合があることも教えてもらい、その確認方法も案内してくれました。結局、市役所に直接駆除はしてもらえませんでしたが、冷静な対応と具体的なアドバイスのおかげで、パニック状態だった私も落ち着きを取り戻し、次に何をすべきか明確になりました。すぐに教えてもらった業者数社に連絡を取り、見積もりと対応の早さを比較して、その日のうちに対応してくれる業者に依頼することができました。費用はかかりましたが、プロに安全かつ迅速に駆除してもらえて本当に安心しました。市役所は直接駆除はしてくれなくても、困った時に頼れる相談先であると実感した体験でした。