自宅の庭に蜂の巣ができて困ったとき、市役所に相談しても「私有地なので対応できません」と言われることが多いのは事実です。しかし、全ての場合において市役所が全く対応しないわけではありません。特定の条件下では、市役所が蜂の巣の駆除やその支援を行うケースが存在します。どのような場合に市役所の対応が期待できるのでしょうか。まず、最も分かりやすいのは、蜂の巣が公共の場所にできている場合です。例えば、公園の遊具や樹木、街路樹、道路標識、公民館や図書館といった公共施設の敷地内などに巣が作られた場合は、その土地や施設の管理者である市役所(または関連部署)が責任を持って駆除を行います。これらの場所に蜂の巣を見つけた場合は、速やかに該当する部署(公園課、道路管理課、施設の管理事務所など)に連絡しましょう。次に、蜂の種類や状況によっては、私有地であっても市役所が関与する場合があります。特に、攻撃性が非常に高く、人の生命に危険を及ぼす可能性のある特定外来生物のスズメバチ(ツマアカなど、地域による)や、オオスズメバチの巣が、住宅密集地や通学路沿いなど、公共の安全を著しく脅かす場所に作られた場合などです。このようなケースでは、自治体によっては緊急的な措置として駆除を行ったり、駆除費用の一部を補助する制度を設けていたりすることがあります。ただし、これはあくまで例外的な対応であり、自治体の方針によって大きく異なります。多くの場合、まずは専門業者への相談を促されることが一般的です。また、生活困窮世帯や高齢者世帯など、自力での駆除が困難な状況にある住民に対して、何らかの支援策(業者紹介や費用補助など)を用意している自治体もあります。これも自治体ごとの判断となります。自分のケースが市役所の対応対象となるかどうかを知るためには、まずはお住まいの自治体のウェブサイトを確認するか、担当部署(環境課、生活衛生課など)に直接電話で問い合わせてみることが最も確実です。その際には、蜂の種類(分かれば)、巣の正確な場所、大きさ、周辺の状況などを具体的に伝えることが重要です。
市役所が蜂の巣駆除してくれるケースとは?