ガーデニングは心の癒しですが、花の蜜を求めてやってくる蜂の存在が悩みの種、という方も多いのではないでしょうか。しかし、植える植物を少し工夫するだけで、その庭を蜂が自然と避ける空間に変えることができるのです。それは、蜂が嫌う香りを放つハーブを育てるという方法です。最も代表的なのが、ハッカやペパーミントといったミント類のハーブです。スーッとする強いメントールの香りは、人間にとっては爽快ですが、多くの虫にとっては強すぎる刺激となり、蜂もこの香りを嫌う傾向があります。繁殖力が非常に強いため、地植えにする際は注意が必要ですが、プランターで育ててベランダや庭の要所に配置するだけでも効果が期待できます。また、レモングラスやローズマリー、ラベンダーといった、香りが強く特徴的なハーブも蜂よけに役立つと言われています。これらのハーブは、料理やアロマ、ポプリなど、様々な形で私たちの生活を豊かにしてくれるという嬉しいおまけ付きです。例えば、剪定したローズマリーの枝を数本束ねて、バーベキューの際に火の近くに置いておけば、その香りと煙で蜂を遠ざけることができます。庭の一角に「蜂よけコーナー」としてこれらのハーブをまとめて植えれば、見た目にも美しく、実用的なナチュラルバリアが完成します。化学薬品に頼らず、植物自身の力で蜂との距離を保つ。それは、自然のサイクルを尊重しながら、安心して庭仕事を楽しむための賢い選択と言えるでしょう。