家にいる蜘蛛は味方?種類と生態を知ろう
家の中で見かける蜘蛛を、私たちはひとくくりに「蜘蛛」と呼び、忌み嫌いがちですが、実はその種類は様々で、生態も異なります。家に出る蜘蛛の正体を知ることで、無用な恐怖心を和らげることができるかもしれません。家屋内で最もよく見かける代表格が「アシダカグモ」です。手のひらサイズにもなる大型の蜘蛛で、その見た目から最も恐れられがちですが、実はゴキブリを捕食してくれる非常に有益な益虫です。巣を張らずに歩き回って獲物を探すハンターで、性格は臆病。人間を咬むことはまずありません。次に、壁や天井をぴょんぴょんと跳ねるように移動する小さな「ハエトリグモ」。彼らはその名の通り、コバエやダニなどを捕食してくれます。愛嬌のある動きと、キラキラした大きな目が特徴で、観察していると面白い存在です。彼らもまた、人間に害を与えることはありません。細く長い脚を持ち、ゆらゆらと揺れているように見えるのが「イエユウレイグモ」です。彼らは非常に壊れやすい不規則な網を張り、小さな虫や他の蜘蛛さえも捕食します。その名の通り幽霊のような頼りない見た目ですが、彼らもまた家の衛生環境の維持に一役買っています。もちろん、中にはセアカゴケグモのような毒を持つ危険な蜘蛛も稀にいますが、家の中で一般的に見かけるこれらの蜘蛛たちは、基本的には私たちの生活を脅かす存在ではありません。むしろ、私たちが気づかないうちに害虫を駆除してくれる「小さな掃除屋」なのです。彼らの生態を知ることで、ただの侵入者から、少し頼もしい同居人へと、その見方が変わるかもしれません。