「鉄フライパンって、手入れが面倒でしょ?油を塗ったまま置いとくと、ゴキブリとか来そうだし…」。友人によく言われる言葉です。確かに、そのイメージは分かります。僕自身、決してマメな性格ではありません。でも、そんなズボラな僕でも、もう何年も鉄フライパンを愛用し続けています。そして、幸いなことに、フライパンが原因でゴキブリに遭遇したことは一度もありません。なぜなら、鉄フライパンの手入れは、実は驚くほどシンプルだからです。僕が守っているルールはたった二つだけ。「調理が終わったら、すぐに洗うこと」そして「洗い終わったら、すぐに乾かすこと」。これだけです。料理を作って、まだフライパンが温かいうちに、シンクでお湯を流しながらササラやたわしでゴシゴシ。洗剤は使いません。汚れが落ちたら、再びコンロにかけて火をつけ、水分が完全に蒸発するまでカンカンに熱します。煙が少しおさまったら火を止め、キッチンペーパーでごく薄く油を塗っておしまい。この一連の流れは、慣れれば5分もかかりません。重要なのは、油汚れや食べ物のカスを長時間放置しないことです。ゴキブリが寄ってくるのは、放置されて腐敗しかけた汚れです。調理直後の新鮮な(?)汚れには、彼らもそうそう群がってきません。つまり、「後で洗おう」とシンクに放置する方が、よっぽど危険なのです。すぐに洗って乾かすという習慣は、鉄フライパンを錆びさせないための作法であると同時に、結果的にゴキブリの餌となるものをキッチンから即座に排除する、最強のゴキブリ対策にもなっているのです。だからズボラな僕でも、このシンプルなルールを守るだけで、美味しい料理とゴキブリのいないキッチンを両立できているのです。