私たちの身近な場所、家の軒下や庭木などでよく見かけるアシナガバチ。その名の通り、細長い脚をだらりと下げて飛ぶ姿が特徴的です。スズメバチに比べると体も小さく、性格もおとなしいと言われることが多いですが、だからといって危険性がないわけではありません。アシナガバチも立派な毒針を持っており、その針には注意が必要です。アシナガバチの毒には、痛みや腫れを引き起こす成分が含まれています。刺されると、まず鋭い痛みを感じ、その後、刺された箇所を中心に赤く腫れ上がり、強い痒みを伴うことが一般的です。この腫れや痒みは数日間続くこともあり、日常生活に支障をきたすほどの不快感を覚える人も少なくありません。特に注意しなければならないのは、アナフィラキシーショックのリスクです。ハチ毒に対してアレルギー反応を起こす体質の人が刺されると、短時間のうちに全身性の激しい症状、例えば蕁麻疹、呼吸困難、血圧低下、意識障害などを引き起こし、最悪の場合、命に関わることもあります。一度ハチに刺された経験がある人は、次に刺された際にアナフィラキシーショックを起こす可能性が高まるため、特に注意が必要です。スズメバチと比較すると、アシナガバチは比較的攻撃性が低いとされています。こちらから何もしなければ、積極的に人を襲ってくることは少ないでしょう。しかし、それは巣に危険が及んでいない場合に限られます。アシナガバチも巣を守る本能は非常に強く、巣に近づきすぎたり、巣を刺激したりすると、 fiercely に攻撃してきます。洗濯物を取り込む際に巣に気づかずに触れてしまったり、庭の手入れ中に巣のある枝を揺らしてしまったりといった、意図しない行動が攻撃を誘発することもあるのです。アシナガバチの危険性を正しく理解し、見かけてもむやみに近づかず、刺激しないように心がけることが大切です。もし生活圏内に巣が作られてしまった場合は、安易に自分で駆除しようとせず、専門業者に相談するなど、安全な対処法を検討しましょう。